PROJECT: おうぎのまい

 世はまさに多段技時代である。

 ダメージ天井への到達もめずらしくない昨今のバトル環境において、その限界を手数のチカラで乗り越える多段技の存在感は日に日に増している。
 
 「手数こそが正義」、いい時代になったものである。

 ところで、おうぎのまいという男がいた。
 彼もまた、多段技であった。
 

おうぎのまい実戦投入計画

 使う職業のせいなのか、使う状況のせいなのか。
 どうにも貧弱な印象がぬぐえない「おうぎのまい」

 真剣な戦場において、彼に出番はあるのか? というのが今日のテーマであり、そこから「YES!」という答えを導き出してやろう、というのが今日の計画だ。

 この計画はとても有望であり、その成功率はかのヤシマ作戦にも比肩すると言われている。


 さて、扇を使える職業は武闘家・旅芸人・スパスタ・踊り子・天地雷鳴士
 この中で一番「扇でブン殴る」はしたないケースがありそうなのは、やはり踊り子だ。君に決めた。扇を使っていても「わざわざ感」が出ないことが肝心だ。

 とはいえ、扇を常用する踊り子というのはつまり魔法型である。
 すなわち、扇特技はサブウェポンに過ぎない。
 「呪文による攻撃を差し置いてでも」という条件を満たさなければ、おうぎのまいに出番など回らない。

 この条件はいったいどんな場面で満たされるであろうか、あるいは、決して満たされることはないのあろうか?

 ちなみに、事前にパーティ構成を練って挑める状況を前提としてしまったら、そもそも扇が攻撃手段に選ばれるハズがない。よって、今回の舞台も例によってオートマ防衛軍である。
 

おうぎのまいが越えるべき壁

 前提ステータスはこんな感じ↓

ouginomaiste

 現状、踊り子は攻魔の増強をサボれる状況にない。よって、アクセサリーは攻魔特化となる。すると攻撃力のほうは自然とこのくらいの水準になる。

 さて、おうぎのまいを実用化するには、越えねばならない壁がある。
 そう、メラゾーマである。

 魔力覚醒に加えていくつかの要素が重なればたやすく2999のダメージ天井をたたき出す、この主力呪文。彼がいる限り、普通の状況でおうぎのまいを使う機会はない。

 しかし、おうぎのまいは今をときめく多段技である。
 天井は1999であるから、4発合計で8000弱もの火力ポテンシャルを持っている(左手分の一撃を足せばさらに伸びる)。

 もうおわかりだろう。

 おうぎのまいの存在意義は、メラゾーマがダメージ天井を迎えてしまったその先にある

 そんなワケで、まずは少なくともこの2999ダメージを越えてもらわにゃならん。
 いったいどのような条件下ならそうなるのか。
 

おうぎのまいでカンストは可能か

※セッティング【上記ステータスにて、宝珠LV5飾石・170配置、バイキ、FB・災禍・耐性低下50%、補正前会心率10.2%】

ouginomai1 さっそく計算をはじめよう。
 総ダメージでメラゾーマに並んでくるための条件がコレ↑であるが、キツイ。もうキツイ。

 FBダークネスショットを重ね、そこに災禍も加わってようやく期待値2500ほど。画像に含まれていない左手分を足してギリ目標値、という具合だ。

 ここで触れておかなければならないが、おうぎのまいには約3秒というあまりにノンキな準備時間もある。攻撃前にクルクル回る例の動作だ。
 つまり繰り出すのに時間がかかるので、ダメージで呪文と拮抗しているような段階では、とうてい実用には堪えない。上の数字ではスタートライン未満である。

 よって、おうぎのまいはさらに上を目指さなければならない。
 では、いったいいつになったら彼はカンストするのだろうか?
 次いってみよう。

ouginomai2
 ↑先の条件に生クリームとレボル・ガジェット・乱れ舞2段を贅沢に加えました。
 ここまでやっても単発では1700止まり、期待値は7000

 まだか、まだカンストしないのかいい加減にしろこの出来損ない。

 とはいえ、さすがにここまでのダメージになれば、準備時間を加味してもメラゾーマをさしおいて舞い踊る価値が出てきた。
 この、野良パーティにおいては奇跡的ともいうべきフィーバータイムが訪れさえすれば、堂々と、誰はばかることなくおうぎのまいで戦えるということだ。
 さらなる奇跡がおこって猛攻の書やマジルレが重なればカンスト1999も夢ではない。

 さあ、計算は終わりだ。
 実践に移ろう。
 

結果

 mai-kiroku

 ムリ。うん、カンストとかムリ。

 この計画を思いついてから相当の回数を踊り子で遊んだが、この通り、約5000ダメージを出すのが精一杯であった。先の計算からガジェットが抜け落ちた状態でこれである。
 この程度では、使っても使わなくても…という水準でしかない。

 そもそも「今ならいける!」と判断しておうぎのまいに踏み切る機会自体が3、4回ほどしかなかった、という有様である。これはどういうことか説明しよう。

 まず第一に、やはり上で想定したようなフィーバータイムは、オートマ環境ではそう簡単には訪れない。そもそもパーティ構成が決まった段階で「可能な最大フィーバー」がおうぎのまいの要求するそれを下回っていることもしばしばだ。なにせ踊り子である自分にはバイキ・災禍・乱れ舞があるだけで、残りは人任せなのだから。

 そして第二に、幸運にもそういう状況が訪れたとしても、より火力の出せる「つるぎの舞」を先に消化しなければならないという事情がおうぎのまいに立ちふさがる。
 真剣に戦っている中での試みである以上、それをさしおいて、ということは認められない。ただでさえ非常に短いフィーバータイムは、そうしている間にほぼ終わってしまうのである。


 そんなわけで、理論的には一応存在するはずの「おうぎのまいが実用可能なタイミング」を僕はつかむことができなかった。そして、それは想像以上に手に入れがたいもののようである。
 おうぎのまいよ、すまん。君の再評価を狙って打ち立てた今回の計画は、君をいっそうおとしめる結果に終わった。うらむなら君の生まれの不幸を呪うがいい。

 しかし、そういうタイミングと僥倖にもめぐりあったとすれば、メラゾーマの2999に甘んじていては大分モッタイナイというのは確かだ。おうぎのまいは決して死に技ではない!ギリで。

 


 さて、最後にひとつ、大事な注意をしてから帰ることにしよう。

 いいかい、「おうぎのまい」と「扇2本による通常攻撃」。この2つの攻撃手段のDPSを厳密に計算して比較すること、それだけはやっちゃいけないよ。わかったね?