無限蘇生戦術におけるAIの脅威

 前回の続きだ。

 もしも「無限蘇生戦術」のあまりの万能性が将来問題になったとして、どのような「手段」でそれにストップがかけられるか、を妄想もとい思索したのが先日のお話だ。

 そこで書き切れなかったコト。
 それが「AI」のチカラについて。
 

仲間モンスターのすさまじさとは

 無限蘇生戦術は、もちろん人間4人(+カカロン)でも使える。ただ、コレは口で言うよりも難しい。蘇生ループを成立させるには的確な動きも必要だし、誰がいま守備に回るべきかの判断や、円滑に蘇生を回せるように動くチームワークも要求される。というより、人間4人によるこの戦術は、1枠以上をAIにした場合のソレとはすでに別物になっているというべきかもしれない。

 つまり、この「本当はそれなりに難しいハズの」戦術を、かなりお手軽にしている存在こそが「AI」である。AIというより今回の場合はいわずもがな仲間モンスターだ。


 ウチによく来てくれる人は、僕がこういうとき「先に結論を言う」クセを持っていることを見抜いているかもしれない。ご明察だ、今日もそうしよう。

 いま、仲間モンスターの最も輝いている能力。それは行動速度である。


 仲間モンスターは対人間比で1.25倍の行動遅延をかけられているそうだ。しかし、スキルで盛られて人間を上回るすばやさや、行動短縮効果のついた装備、そして何よりもコマンド選択という遅延が存在しないという性質によって、実質的な行動速度では人間をはるかに上回る

 この性質は無限蘇生戦術において、あまりに重大な意味を持った。

 キメラを例としよう。というか闘戦記の場合はほぼ彼こそが問題だ。900をたやすく突破するすばやさを持ち、さらにスティックで詠唱速度も強化できるこのウルトラマッハ禿は、ある突出した能力を帯びている。

 それは「蘇生した直後の無敵時間に、ザオラルという行動をほぼ丸ごと収めることができる」というものである。しかも多少の移動が挟まっても平気なくらいの余裕がある。発動部分だけなら天使も同様だ。

muteki2 これが意味するところは「キメラを蘇生すれば、彼が行なう次の蘇生までを含めた命のリレーの継続がほぼ確約される」という事態だ。

 この圧倒的なバトン受け渡し能力は蘇生ループ継続のうえであまりに強力に働く。人間にも近いコトは可能だが、コマンド選択の正確さと迅速さが求められるなど、一筋縄ではない。対して、AIはそうしたトコロでは絶対にミスをしない。


 この激烈な能力をまざまざと見せつけられたのは、僕がパペットマンを闘戦記Ⅲに連れていった時である。
 うちのパペックとてすばやさは700ほどあるが、短剣装備のため詠唱速度ではキメラにかなり劣る。すると、キメラ入りならば何の問題もなく回っていた蘇生ループが、パペックではほぼ回らないことに気づいた。ザオラルの詠唱まではいくのだが、無敵が最後まで続かず、唱え終わる前に高確率で壊されてしまうのだ。心ごと。

 つまりスペースランナウェイ禿ことキメラという存在は、ある越えてはいけない(?)ラインをすでに越えている状態にある。

 仲間モンスの行動速度は蘇生直後のみならず、長期的にみても手数の面で人間を凌駕する。とくに「ターン消費しない」が発動した時や、ターンがたまった状態での「ザオラル→(コマンド選択を省いて)即座に聖女」といった挙動は人間にはけっして真似できない。
 

その他すさまじい部分

 これは仲間モンスターに限らないが、AIは「状況判断」能力において人間にまさる。

 乱戦を挑む挑まざるに関わらず、闘戦記の敵は2体だ。人間がその動きを完璧に把握しつつ適切に動くのはとても難しい。

 しかし、AIは戦場のすべての情報を瞬時に更新し続けているようなモノだ。死者を見失うこともなければ、範囲攻撃を視界に捉えそこなうこともない。
 

 僕も当初は「キメラは強いといっても僧侶の代わりで、人間が上達すれば彼を超える」と考えていた。これは基本的には今でも有効な考えだと思っているが、前項で書いたように、部分的にはそうではないことも認めねばなるまい。

 そして「人間が上達すれば」という条件も、僕が思っていたほど簡単ではなかった。情報過多の戦いを20分もやっていれば、人間は絶対にミスをする。あえて絶対、と言おう。いっぽうでAIはそうした意味でのミスは絶対にしない。いつでも同じポテンシャルで働き続けるのだ。
 

AIの弱点

 では、AIに弱点はないのかといえば、ある。それもけっこうたくさんある。

 まずなによりも、AIというのは元々「完璧」には作られていないので、特定状況下でおかしな動きをしてしまうコトがある。2つの範囲攻撃に同時にさらされた時など、よく回避に失敗する。

 加えて「後出し」というものができない。自分がターンを消費するタイミングで機械的に動くだけなので、むしろ敵に「後出し」をされるカタチで、人間ならしないであろう被弾をしてしまう。
 

 だがこの弱点は、たとえばキメパン構成であれば、人間が自然とフォローしている。

 代表例は「狂い裂き」への対応だが、仲間モンスはこの技をほぼ確定被弾する性質があるので、我々は置きザオを施す。
 つまり、AIのミスは「読める」のである。AIと戯れることに慣れると「あ、この状況はおそらくミスするな」というコトがかなりの度合でわかるようになる。

 AIと組んで強敵に挑む場合、我々はAIを使役しているというより、彼らに使役されるカタチになる。カカロンにはこちらが動きを合わせねばならないコトと理屈は同じだ。そういう意味で、AIを組み込んだバトルは人間4人のソレとはまるで別物である。
 

おわりに

 というわけで無限蘇生戦術は、それが用いられる場が乱戦という「情報錯綜」状況であることも追い風となるカタチで、AIのチカラが非常に強く発揮される戦術となっている。蘇生戦術に手を入れるのであれば、まず真っ先にこのコトが問題視されるのではないかという予想を立てたワケである。「無敵」の世界へと足を踏み入れすぎた仲間モンスたちは、はたして対価を要求されないであろうか。

 ただ現状に関していえば、僕個人は彼らの台頭を純粋に歓迎してしまっているクチである。新しい「遊び方」がまた一つ生まれた、くらいに思っている。モンスはオートマ邪神に入れるワケじゃないし、自腹でコイン持ち寄りにも参加してくれないしね。「同じコトをやりたがっている4人が集まる」というのが昔に比べれば難しくなっているという事情もそこに勘案したくなる。
 

 …ところで、今回のお話の前提は「いざというとき、何が下方修正されるか」という観点から進めてきたのだが、もっと別の角度から手がうたれる可能性もある。たとえば、天使をかき消すなりカカロンをかき消すなり、あるいは何らかのカタチで蘇生を妨害する新技術なり、未来の戦場にこの戦術を狙い撃ちしたギミックを仕掛けることはいくらでもできるハズだ。

 仲間モンスターの台頭は、少なくとも「現時点」に関する限り、少なくないプレイヤーがそれを「目新しい事態」として愉しんでいる状況にあると思う。ゆえに「下方修正」は部分的にとはいえその愉しみに水を差すことになる。そう考えれば、次は開発側こそがユーザー側の想定を超える一手を指してくる、と予想することこそが一番妥当なのかもしれないね。